療養病床の削減問題については、入院患者家族、当協会をはじめとする医療関係団体や医療現場、都道府県の声により、平成20年8月に国は療養病床38万床を15万床まで減らす計画から22万床まで減らすことに政策転換し、平成21年4月には療養病床の転換先とされる介護療養型老人保健施設の介護報酬の引き上げが行われました。しかしながら、高齢化が加速する今後において、高齢者が安心して医療も介護も受けるには療養病床は必要不可欠でむしろ増やしていくべきであり、介護療養型老人保健施設では24時間365日の医療提供体制が維持できるよう十分な財源が確保されるべきであります。療養病床の入院患者の受け皿は未だ全くと言ってよいほど整備されておらず、これから整備するといっても、本当に必要な受け皿が整備されるのかどうかも分からない状況であります。平成23年度末での介護療養型医療施設の廃止を含めた療養病床再編計画については、拙速な議論で今なお多くの問題点が指摘されているにもかかわらず、国は何ら改めようとはしません。
この膠着した状況の中、8月30日に衆議院総選挙が行われることとなりました。我々療養病床を有する医療機関の従事者は、投票にあたり各政党・立候補者が療養病床問題に対してどのような考えを持っているのかを把握しておく必要があると存じます。そこで、当協会では、京都府内の主要政党の立候補予定者に療養病床問題を中心としたアンケートを実施し、当協会会員施設の従事者が今回の衆議院総選挙で投票する際の参考に資するよう、その回答を当協会ホームページに掲載することにいたしました。
また、7月27日に公表された民主党のマニフェストに「当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。」との文言が明記されました。同党の医療政策は「現在の亜急性期病床を中心とした一般病床から療養病床、療養病床から居住系施設への転換を図り、総枠として療養病床38万床を維持する」ということであります。これに対し、当協会は民主党に「凍結」ではなく、介護療養型医療施設の廃止を含めた療養病床の削減計画そのものが撤廃されること、ならびに、療養病床数の現状維持ではなく、増やしていくことを求める要望書を送付し、回答を求めました。
以下に、京都府内の主要政党の立候補予定者に送付したアンケート内容と民主党への要望書を掲載いたします。回答は当ホームページで順次公表します。なお、8月17日を回答期限としており、期限までに回答がない場合はその旨も公表します。
◎京都府内主要政党の衆議院総選挙立候補者へのアンケート内容(PDF)